何をどう調理して、食べさせたらいいの??

「娘さんは誤嚥しています」

医師からそう告げられたとき、頭の中が真っ白になりました。
 不安、戸惑い、これから先への恐れ。

娘の摂食・嚥下障害についての説明は受けたけれど、
 「じゃあ、何をどう食べさせたらいいの?」
 「どうやって作ればいいの?」
 という、一番知りたかったことは、ほとんど教えてもらえませんでした。

渡されたのは、食形態の名称や注意点。
 言葉はたくさんあるのに、
 具体的な“作り方”や“日々の食卓のイメージ”は、どこにもなかったのです。

結局、手探りで進むしかありませんでした。

当時の私は、料理教室を主宰し、人に「作り方」を教える立場でした。
 それなのに、最愛の娘に
 「安全に」「おいしく」食べさせることができない。
 その現実に、愕然とし、強い無力感を感じました。

食事を用意して、食べさせて、片付ける。
 気づけば「食べさせる」ことで一日が終わり、心も体も疲弊していました。
 食事が“楽しみ”ではなく、
 “こなさなければならないタスク”になっていたのです。

それでも、娘は一生懸命食べていました。
 がんばって、がんばって。

だからこそ思ったのです。
 「おいしいな」
 「たのしいな」
 そんな気持ちを、感じてほしい、と。

そして、私自身も、もう少しラクに食事作りがしたい。
 食べることは、命をつなぐためだけじゃない。
 人と同じ時間を過ごしたり、
 季節を感じたり、
 心が満たされる、大切な時間でもあるはずだから。

「安全」と「楽しさ」、どちらかを諦めるしかないの?
 「障害があるから仕方ない」って、本当にそうなんだろう?

そんなとき、スマホの中で出会ったのが
 mogmog engineのオンラインコミュニティ
 「スナック都ろ美」でした。

――あれ?
 同じような状況なのに、こんなにも明るく笑っている人がいる。
 笑っていいんだ…?

それは、私にとって希望でした。
 「自分も、きっと大丈夫になるかもしれない」
 そう思えた瞬間でした。

mogmogレシピに並ぶお料理は、
 日々、大切な子どもや家族を想って作られたものばかり。
 どのレシピにも、工夫とやさしさと、愛情が詰まっています。

あの頃の私が欲しかった情報が、
 ここにはあります。

そして最後に、

栄養って、数字だけじゃ測れないものもあるんだなと感じています。
 お気に入りのレシピと出会って、
 「今日はこれでいいか」
 そう思える日が増えたら。

忙しい毎日の中に、
 ほんの少しの余白と安心が生まれる。

mogmogレシピが、
 そんなお手伝いができたらいいな、と思っています。

ー次回は、「失敗したレシピ」についてお届けします。

ライター
なおみ(mogmogレシピスタッフ・摂食嚥下障害児の母)